習慣には脳の働きが関わっている

脚やせや美脚づくりのためには、運動やストレッチを習慣的に行っていく必要があります。

でも、今までやってこなかったことを習慣化するのはなかなか難しいものです。

多くの人は、自分の立てた目標を習慣化できずに、挫折してしまいます。

そして、「自分はなんて意思が弱いんだ…」と落ち込んでしまうものです。

しかしながら、ある行動が習慣化するかどうかというのは、意志の力よりも「脳の働き」が重要であることが、最新の脳科学で判明しています。

今回は、私たち人間の脳の性質にもとづいた、正しい習慣の身につけ方について、ご紹介します。


悪習慣の仕組み

ところで皆さんには、やめたいのにどうしてもやめられない悪習慣はありますか?

つい甘いものを食べてしまう、とか、ついスマホを見てしまう、とか、あるいはタバコやお酒の悪習慣もあるかもしれません。

実はそうした悪習慣が、自分でも悪いと思っていてもやめられないのにも、脳の働きが関係しています。


例えば「チョコレートをつい食べてしまう」という悪習慣がある人は、チョコレートのパッケージを見ただけで、脳が無意識のうちにチョコレート食べることで得られる報酬(=美味しいという感覚)をイメージします。

無意識レベルの衝動というのは、脳の非常に深い(原初的な)部分から湧きおこるもののため、それを表面上の意思の力でくい止めることはとても困難です。

始めにきっかけとなるチョコレートのパッケージというキュー(合図)があり、次にそのチョコレートを食べるという行動が起き、「美味しい」という報酬がもたらされる。

そうして一定の行動により報酬がもらえると、脳の大脳基底核という部分ではドーパミンという快感をもたらす物質が放出されます。

その一連の流れが何度か繰り返されるうちに、脳は「チョコレートを見る⇒食べる⇒報酬(快感)」というループを学習し、行動を無意識レベルまで落とし込みます。

歩くときに、「右足の次は左足を出す」などといちいち考えないように、「チョコレートを食べて報酬(快感)を得る」ということを無意識で行ってしまうのです。

それが、一定の行動の無意識化=悪習慣の定着する仕組みです。


では、悪習慣を断ち切るためにはどうすれば良いのでしょうか?

意思で変えようとするのではなく、習慣化の仕組みそのものを変える必要があります。

無意識レベルで行ってしまう悪習慣の、その始めの合図(キュー)となるものを無くしてしまえばいいのです。

上記の例の場合ですと、「チョコレートのパッケージが視界に入らないようにする」が、最初の一歩です。

合図が無ければ、無意識に報酬をイメージするきっかけを減らすことができます。

できればチョコレートそのものだけでなく、チョコレートを連想させるようなものも含めて、徹底的に視界から排除したほうが良いでしょう。

習慣のきっかけとなるものを排除することが、悪習慣を断ち切る最善策です。

そして、この悪習慣の仕組みを逆に応用すれば、新しく身につけたい習慣を効率よく定着させることができるのです。


習慣化する3つのステップ

ステップ1:視覚的なキューを用意する

やめたいはずの悪習慣を繰り返してしまうのは、はじめに合図(キュー)を知覚してしまうから。それなら、良い習慣を身につけるためにも、合図を見える化しておくことが大切です。

例えば、ランニングを習慣を身につけたいのであれば、玄関に常にランニングシューズを出しておく。寝る前にマッサージをしたいなら、枕元にマッサージクリームを置いておくなど。

よく目標を書いた紙を冷蔵庫や壁に張っておく、という方もいらっしゃいますが、あれも良い合図の例です。


ステップ2:達成しやすい目標設定

合図を見たら、行動に移すことが重要です。そのため、はじめの内はごく簡単にできることを行動目標に設定してください。

ランニングだったら、まずはランニングシューズを履いて5分だけ散歩をしてみる、といったレベルでOKです。資格の勉強であれば、テキストを1ページだけ読む、など。

とにかくまずは達成しやすい目標を確実にクリアし、小さな成功体験を積み上げていくことで、自信にもつながり、それを行うことがどんどん楽しくなってきます。


ステップ3:報酬の設定

そして、行動をしたら報酬を得られる仕組みを作ることで、習慣の定着率はグンとあがります。

この報酬は、達成感や自己肯定感、成長の実感などの、感情的なものでも良いのですが、はじめのうちはもっとわかりやすく、数値化できたり視覚化できる具体的な報酬を用意するのが良いです。

例えば一日の目標を達成できたら、お気に入りの入浴剤をお風呂に入れる、とか、旅行のための貯金箱に100円を入れる(そしてどのくらい溜まっているか振ってみる)など、自分自身がワクワクしたり、喜ぶものを設定してあげましょう。

子どものころにやったように、継続したい日数分のマス目を作って、達成したらシールを貼ったりスタンプを押したりするのも、単純ですが達成率が視覚化できるのでおすすめです。

ただし大人にとっては、シールやスタンプだけでは報酬としてはやや弱いかもしれませんので、『シール(スタンプ)が10個溜まったら好きなものを食べる!』といったプラスアルファのご褒美を用意するなどして、常にワクワクしながら達成していけるようにすると良いでしょう。


脳の仕組みを理解して効率よく習慣化

今まで、なかなか行動が習慣化できなくて悩んでいた人も、実は意志の弱さが原因ではなく、習慣化の仕組み作りが上手くできていなかったのかもしれません。

1.合図(キュー)を知覚しやすいようにする

2.簡単に行動できるようにする(低い目標設定)

3.必ず報酬を設定する(ドーパミンの分泌促進)


この一連の流れを意識して、一度は挫折してしまった習慣にも、改めて取り組んでみるのも良いのではないでしょうか。

日々の習慣の積み重ねが、人生を作り上げます!

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